Qlik Senseで、社会貢献に関するアンケートデータを可視化してみよう

Qlik Senseで、社会貢献に関するアンケートデータを可視化してみよう

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今回はQlik Senseを使用して、アンケートデータを可視化してみます。
題材には内閣府が公開している『市民の社会貢献に関する実態調査』を取り上げ、Qlik Sense 2.2の新機能なども使用しながら、データの可視化からプレゼンテーションの作成まで順を追って解説します。
東日本大震災から五年、社会貢献に関する実態をあらためて見てみましょう。

また、今回作成するアプリでは基本的な機能のみを使用していますので、はじめてQlik Senseをお使いの方もぜひご覧ください。


データの確認とデータロード


出展

「平成26年度 市民の社会貢献に関する実態調査」(内閣府)(https://www.npo-homepage.go.jp/toukei/shiminkouken-chousa/2014shiminkouken-chousa)をもとに、株式会社アシストが作成。

結果のExcelファイルは、上記内閣府のページからリンクをたどり、政府統計の総合窓口(e-Stat)のページからダウンロードできます。
統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103

ファイルのダウンロード

ここでは以下のファイルを使用しますので、ダウンロードしてください。
shakaikouken-jittai-2014.xlsx

「質問」のシート
five-years-101
「回答」のシート
five-years-102
「出典」のシートは出典をまとめたものなので、Qlik Senseに取り込むデータは「質問」と「回答」のシートのみです。

また、今回は先日リリースされたQlik Sense 2.2の新機能なども使用しますので、最新版をお持ちでない方は以下のページから最新版のQlik Sense Desktopをダウンロードしてください。
2016年3月16日現在、Qlik Sense 2.2.3が最新版です。
Qlik Sense Desktopのダウンロード
旧バージョンのQlik Sense Desktopをインストール済みの場合は、そのまま上書きインストールできます。
five-years-103

データの取り込み

それでは、Qlik Senseにデータを取り込んでみましょう。
Qlik Sense Desktopを起動してアプリを新規に作成します。
five-years-104
アプリの名前を指定して、[追加]ボタンをクリックしてください。
アプリの名前はなんでも構いませんが、ここでは「社会貢献に関する実態調査」と指定しています。
five-years-105
[アプリを開く]ボタンをクリックします。
five-years-106
「アプリ概要」と呼ばれる画面が開きます。
[データの追加]などからデータを取り込むこともできますが、ExcelやCSVなどのファイルであればファイルをドラッグ&ドロップで追加できます。
ダウンロードしたExcelファイルを、「アプリ概要」の画面にドラッグ&ドロップしてください。
five-years-107
「データマネージャー」と呼ばれる、データを取り込むためのツールが起動します。
取り込むテーブル(Excelのシート)を選択します。
「出典」のチェックを外し、「質問」と「回答」にチェックを入れて、画面下部の[データの準備]ボタンをクリックします。
five-years-108
以下の画面が開きます。
この画面はQlik Sense 2.2から追加されたものです。
Qlik Sense 2.2からデータマネージャーで、テーブルの編集ができるようになりました。
[このテーブルを編集]をクリックしてください。
five-years-109
以下の画面で、テーブル名や項目名の変更、日付の書式設定、計算項目の追加などができます。
今回はなにも変更しないので、そのまま画面右の[完了]ボタンをクリックしてください。
five-years-110
画面下部を見ると[関連付け]ボタンに、注意を引く赤いマークが付いています。
これはデータの関連付けが、正しくおこなわれていないことを示唆しています。
[関連付け]ボタンをクリックしてください。
five-years-111
現在「関連付けなし」になっていますが、正しくは「質問番号」の項目で関連付ける必要があります。
「質問番号」同志を関連付ける設定を選択し、[選択した項目を使用して関連付け]ボタンをクリックします。
five-years-112
画面が下図のように切り替わり、関連付けが正しく設定されます。
以上で設定は完了です。画面右上の[データのロード]ボタンをクリックしてください。
five-years-113
Qlik Senseにデータが取り込まれました。

以上で、データの取り込みは完了です。
最後に[シートを編集する]ボタンをクリックしてください。
five-years-114


ユーザーインターフェースの作成1


それではユーザーインターフェースを作成していきましょう。
以下のようなシートの編集画面が開いているはずです。
five-years-201

項目の追加

まず値を絞り込むために、シートに項目を3つほど配置します。
画面左側の「アセット」パネルで、「項目」パネルを開きます。
もし「アセット」パネルが表示されていない場合は、画面の一番左下にあるボタンでパネルを開閉できます。右側の「プロパティ」パネルもおなじように、一番右下にあるボタンでパネルを開閉できます。

項目一覧の中から、「ボランティアと寄付」をドラッグ&ドロップでシートに追加します。
five-years-202
下図を参考にサイズを調節してください。
five-years-203
同様にして「質問区分」と「質問」も、ドラッグ&ドロップでシートに追加してください。
そして、下図を参考に位置とサイズを調節してください。
厳密におなじにする必要はありませんが、このあと右側に円グラフを配置しますので、その分のスペースは残しておいてください。
five-years-204以上で項目の追加は完了です。
シートに配置した項目のことを、Qlik Senseでは「フィルターパネル」と呼びますので、覚えておくとよいでしょう。

円グラフの作成

つづいて、アンケートの回答を見るために、円グラフを作成します。
画面左側の「アセット」パネルを「チャート」パネルに切り替えます。
チャート一覧の中から「円グラフ」を、ドラッグ&ドロップでシートに追加します。
five-years-205
円グラフに軸(集計の基準。ここでは回答)と、メジャー(集計値。ここでは回答者の数)の項目を設定します。
[軸を追加]ボタン、[メジャーを追加]ボタンを使用してもいいのですが、わたしは「項目」パネルを使用するのに慣れているため、いつも「項目」パネルから追加しています。
「アセット」パネルを「項目」パネルに戻し、「回答」を円グラフ上にドラッグ&ドロップで追加してください。
five-years-206このとき、円グラフの中央あたりにドロップするようにしてください。すこしずれると、あたらしく項目(フィルターパネル)が追加されてしまいます。何回かやればすぐに慣れると思います。

[”回答”を追加]を選択します。「回答」が軸として追加されます。
five-years-207
同様にして「回答者数」を円グラフに追加してください。
five-years-208
[メジャーとして追加]を選択し、[Sum([回答者数])]を選択します。
回答者数の合計値がメジャーとして追加されます。
five-years-209five-years-210
以上で円グラフは完成です。
一度結果を見てみましょう。画面上部の[完了]ボタンをクリックします。
five-years-211

結果の確認

左側に配置したフィルターパネルで質問を選択すると、回答結果を円グラフで確認できます。
「ボランティア」を選択し、「質問」から「ボランティア活動に対する関心の有無」を選択してください。
five-years-212過半数の方が多少は関心があるようですね。
つづいて「ボランティア活動経験の有無」を選択します。
「ボランティア活動に対する関心の有無」は選択を解除してください。
five-years-213したことがない方が多いですね。
ボランティア活動になにかしらの関心は持ちつつも、実際に行動に移すのはなかなか難しいようです。

一旦、選択をクリアします。
選択をクリアするには、画面上部のツールバーで[選択をすべてクリアする]を選択します。
このボタンのすぐ右にある項目名の箇所では、項目ごとに選択をクリアできます。
five-years-214
こんどは寄付について見てみましょう。
「寄付」を選択し、「質問」から「寄付経験の有無」を選択してください。
five-years-215過半数は寄付をしたことがあるようです。
やはりボランティア活動よりも、寄付の方が敷居が低いと言えそうです。
なお、今回のようにラベルの表示が途中で切れている場合、上図のようにマウスカーソルをあわせると、詳細がポップアップで表示されます。

つづいて「寄付金額(個人)」を選択します。
「寄付経験の有無」は選択を解除してください。
five-years-2162000円以下が多いですが、10万円以上という回答も数パーセントはありますね。個人的には、1万円以上寄付している方が10%以上もいるという点に驚きました。

ほかにもさまざまなデータがありますので、見てみてください。
たとえば、どのような分野に参加(寄付)したのかのデータがあります。
そのまま選択してもいいですが、探しにくい場合は下図を参考に検索してください。
「*」はワイルドカードの指定です。「*分野*」で「分野」という文字を含むものという意味になります。
five-years-217five-years-218
「寄付をした分野」を見ると「災害救助支援」が25.2%となっており、寄付の四分の一は災害関連であることが分かります。
逆に「ボランティア活動に参加した分野」を見ると「まちづくり・まちおこし」が多く、「災害救助支援」や「保険・医療・福祉」はそれほど多くありません。

災害や医療など、専門性が高いものは金銭的な援助をして、まちおこしや青少年育成など、地域との密着性の高い分野はボランティアとして貢献する方が多いと言えそうです。


ここまでで一旦選択をすべてクリアし、アプリを保存しておいてください。
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ユーザーインターフェースの作成2


シートの複製

それではここからは、もう少し高度な可視化機能を試してみましょう。
そのために、まずシートを1つ追加しますが、ここでは既存のシートを複製して作成します。

まずシートを追加するには、画面上部の[シート]ボタンをクリックします。
既存のシートを右クリックして、[複製]を選択してください。
five-years-301
シートのタイトルを指定できますが、今回はそのままで構いません。
複製したシートをクリックしてください。
five-years-302
シートが複製されるので、[編集]ボタンをクリックします。
five-years-303

ツリーマップの作成

ここではツリーマップというチャートを使用してみましょう。
まず、「チャート」パネルから「ツリーマップ」をドラッグ&ドロップで追加します。
このとき、円グラフの中央あたりにドロップするようにしてください。
five-years-304
[以下に変換:ツリーマップ]を選択します。
これにより円グラフが(軸とメジャーの設定を残したまま)、ツリーマップに変換されます。
「置換する」の方を選択すると、まっさらなツリーマップに置き換わります。
five-years-305
「項目」パネルから「質問」を追加します。ドラッグ&ドロップして[”質問”を追加]を選択してください。
five-years-306five-years-307
同様にして「質問区分」も追加してください。
five-years-308five-years-309
軸の並び順を変更します。
「プロパティ」パネルで、[データ]の[軸]を開きます。
右側の三本線のアイコンをドラッグすることで、軸の並び順を変更できます。
下図のように、上から「質問」「質問区分」「回答」の順にしてください。
five-years-310
以上で完成です。
[完了]ボタンをクックします。
five-years-311

結果の確認

結果を確認してみましょう。
ツリーマップは、四角形の面積で値の大小をあらわします。面積で値をあらわすという意味では、円グラフとおなじですね。

ただし、ツリーマップは複数の軸を指定して四角形を入れ子にできます。
今回のデータで言えば、質問と回答をいっぺんに表示して、おおまかな傾向を掴むといったことができます。

「質問区分」から「関心と経験」を選択してください。
five-years-312質問ごと、回答ごとの大まかな傾向が分かります。ボランティア活動をしたことがない方が過半数(7割程度?)を占めるということや、寄付をしたことがある方が過半数(50数%?)を占めるといったことが、これ一枚で分かります。

では「質問区分」を「理由」に切り替えてみてください。
このままだと小さくて見にくいですね。このような場合は、チャート右上の[全画面]ボタンをクリックしてください。
five-years-313
チャートが拡大されます。
five-years-314
ツリーマップでもほかのチャートとおなじように、値を絞り込むことができます。
たとえば、この例では「国・地方自治体等への要望」というのは、ほかと少し毛色の違う質問のように感じますので除外してみましょう。
“要望”以外の4つを選択して[選択の確認]ボタンをクリックします。
five-years-315
除外できました。
ボランティアと寄付について、する理由とできない理由が一望できます。
five-years-316寄付の理由と(ボランティアへの)参加理由は、どちらも「社会の役に立ちたい」が一位ですが、その割合が大分違うことが分かります。
妨げとなる要因を見ると、それぞれまったく違う回答が挙がってきており、単純に寄付ができればボランティアもできるという訳ではなさそうです。

代替の軸機能の使用

それでは、Qlik Sense 2.2の新機能である「代替の軸」機能を使用してみましょう。
シートの編集画面に戻り、「プロパティ」パネルの「データ」で、[代替物を追加]ボタンをクリックします。
「ボランティアと寄付」を選択してください。
five-years-317
設定は以上ですので、[完了]ボタンをクリックしてください。
five-years-318
チャートの右上にある[[探索]メニュー]ボタンをクリックしてください。
※[探索]メニューはQlik Sense 2.1の新機能です。
five-years-319
[軸]から「質問区分」をクリックしてメニューを展開し、「ボランティアと寄付」を選択してください。
「質問区分」の軸が「ボランティアと寄付」に代わります。
five-years-320
ドラッグ&ドロップで軸の順序を入れ替えることもできます。
five-years-321「代替の軸」機能は、このようにチャートを見ながら軸を切り替えられる機能です。
「[探索]メニュー」では、ほかにもラベルの表示を切り替えたりもできます。
five-years-322
最後に画面下部の[破棄]ボタンを選択すると、いまおこなった設定は破棄されます。
[適用]ボタンをクリックすると、設定がプロパティに反映されます。(アプリに保存されます。)
five-years-323


ストーリー機能の使用

それでは、最後にストーリー機能を使用してみましょう。
ストーリー機能は、プレゼンテーション用の資料を作成する機能です。
こういった調査では、Power Pointなどで報告書を作成することも多いと思います。
今回の取り上げた『市民の社会貢献に関する実態調査』でも、以下のような報告書が作成されています。
内閣府作成の報告書

Qlik Senseのストーリー機能ではこういった資料を作成でき、さらに作成したストーリーをPower Point形式やPDF形式で出力できます。

ストーリーの作成

それでは、ストーリーを作成してみましょう。
まずストーリーの素材となるチャートのスナップショットを撮ります。
ここで言うスナップショットとは、そのときのチャートのイメージを保存したものです。

「質問」から「ボランティア活動に対する関心の有無」を選択します。
円グラフの右上にある[スナップショットを取得]ボタンをクリックします。
five-years-401Qlik Sense 2.2からチャートの右上にスナップショットのボタンが追加されました。

同様にして、「質問」から「ボランティア活動経験の有無」を選択しスナップショットを取得します。
five-years-402

では、新しくストーリーを作成します。
[ストーリー]ボタンをクリックして、[ストーリーの新規作成]をクリックします。
five-years-403
ストーリーのタイトルを指定できますが、今回はそのままで構いません。
作成したストーリーをクリックしてください。
five-years-404
画面右側のカメラアイコンをクリックすると、取得した円グラフのスナップショットが表示されます。
ドラッグ&ドロップでスライドに追加してください。
five-years-405
下図を参考にスナップショットを配置してください。
five-years-406
画面右側のテキストアイコンから、文字を追加することもできます。
下図を参考に、なにかそれらしい文字を追加してください。
five-years-407five-years-408five-years-409five-years-410
以上でストーリーは完成です。

Power Point形式での出力

作成したストーリーをPower Point形式で出力してみましょう。
[メニュー]ボタンをクリックして、[ストーリーをPower Pointにエクスポート]をクリックします。
※Power Point出力はQlik Sense 2.1の新機能です。
five-years-411
[エクスポート]ボタンをクリックします。
five-years-412エクスポートが完了するまで、時間が掛かる場合があります。気長にお待ちいただくか、あまりにも遅い場合は一度キャンセルして、再度実行してみてください。

エクスポートが完了すると、Power Pointファイルへのリンクが表示されます。
このリンクをクリックしてください。
five-years-413
Webのリンク(http://のリンク)になっているため、Qlik Sense Desktopの場合一度ブラウザが開いて、ファイルがダウンロードされます。
five-years-414five-years-415Power Point形式で出力できました。上図のようにフォントサイズなどによって、表示が若干ずれることはありますが、おおむねイメージどおりに出力されています。

以上で終了です。
今回は社会貢献に関するアンケートデータを題材に、Qlik Senseでのデータの可視化についてご覧いただきました。
Qlik Sense 2.2の新機能も紹介したかったため、かなり長い記事になりましたが、最後までご覧いただいた方はありがとうございました。


最後に…

今回は内閣府が公開している『市民の社会貢献に関する実態調査』を使用しました。
今までこういった公的なデータと言うと、総務省が公開しているデータが主でしたが、最近は内閣府もさまざまなデータを公開しています。
さらに内閣府はコンテンツの利用に非常に寛容で、出展を明記すれば二次加工や再配布を自由にできる点も非常に助かります。(内閣府ホームページ利用規約
内閣府が公開しているほかのデータも、機会があればまたこのブログで紹介したいと思います。

お疲れ様でした。


平成26年度 市民の社会貢献に関する実態調査 | NPOホームページ
https://www.npo-homepage.go.jp/toukei/shiminkouken-chousa/2014shiminkouken-chousa

統計調査等 | NPOホームページ
https://www.npo-homepage.go.jp/toukei

内閣府ホームページ利用規約 – 内閣府
http://www.cao.go.jp/notice/rule.html

市民の社会貢献に関する実態調査 平成25年度
統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001052414&cycleCode=0&requestSender=dsearch

市民の社会貢献に関する実態調査 平成26年度
統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001058378&cycleCode=0&requestSender=estat